記憶力
日本代表時代、ジーコの奥さんがブラジルに帰国されている時二人でよく食事に出かけた。
四六時中一緒にいるから話題もほとんどなかったがなぜか二人で出かけるのだ。
そんなある日、いつもの通り互いに向かい合ってテーブルに座り会話もなく運ばれてくる料理をもくもくと食べていた。
突然ジーコが「スズキ、人生で最も大切な事って何だと思う?」 オレは「さぁ、結構いろいろあると思うけどやっぱり“根性”じゃないですか?」
「いや、記憶力だ」とジーコ。
「人生と記憶力?何の関係があるんだ?」そんな事を考えているオレに「誰しもこうなるんだ、こうしようと思い何かを始める。すると必ず壁にぶつかる。人生は辛い事が多い。しかしそんな時に初心を思い出せる、覚えていられる記憶力が大切なんだ。それがなければ障害がおこるたびに挫折してしまうだろう?」なるほどと思った。
彼が13歳でフラメンゴに入団した時に一番上の兄に言われた言葉だとか。
以前マラドーナが言っていたが「同じ南米人また同じ境遇に身を置く者としてフラメンギスタと呼ばれる巨大サポーター(ブラジル全土に約4000万人)のプレッシャーを一人で背負い十数年、また同時にブラジル代表の中心としての重責を担って来たジーコという人物に尊敬の念を通りこして驚きを感じる」
この様に一倍強い精神力と根気を持ち合わせるジーコでも事あるごとにその“記憶力”を駆使し初心を忘れずにやってきたんだと思うと料理の味も忘れてしまうオレだった。
ではまた












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