ど、どこ行くんだ奴は!?
15年間ジーコの横にいて、オレに話している訳でなく、言ってみれば”独り言チック”なブツブツを聞いてきた中で笑えた(?)話題の一つをご紹介します。
とある試合でジーコは右サイドを活性化する為、ガス満タンの若い衆を投入した。
当然オレも選手に役割をしっかりと伝えて送り出した。「目一杯なっ!」と発破をかけて。
そいつがピッチへと飛び出して行く勢いは、まるで尻にロケットを突っ込んだようでした!まさに控えのカガミとはこのことです。
「かなりの効果が期待出来そうだ。」
と独りほくそ笑んだ瞬間、監督さんの
「オマエ、奴にどこのポジションを伝えたんだ!?」
とのご質問で俺はいきなり氷細工のように固まった。
「・・・・?」
何と! 彼は一度は右サイドに行ったものの・・・ 何を思ったかスルスルとピッチを斜め横断して左ウイング (よく、昔言われた“左オープン”という場所) にポジションをとったのです!
「帰れ、帰れ、帰れーっ!!!」
オレはタッチラインから勢い余ってピッチ中につんのめりそうになるのを、何とか持ち前の“モーター・コーディネーション”をフル活動させ踏ん張り、ありったけの声を張り上げた。
心からのホトバシリだった! 何故なら監督が抱いた通訳へのその種の疑惑は、後に最悪 『通訳失業』 へと発展しかねませんから。
その後ピッチではどうなったかというと、何と左ウイングと化した右サイドバックが起点となり見事なゴールが決まったのでした。
監督も得点には大喜びではありましたが、
「まったく、そこらの草サッカーじゃねーんだぞ」とポツリ。
後日の練習で
「味方の為、チームの為という気持ちは尊い。この気持ちなくしてはチームプレーはなりたたない。
しかしそれは、自らのポジションを極端に逸脱してまでやたらボールを追い回したり、
敵に不必要な、いや、逆に味方に不利になるファールをとられる様な猛スライディング・タックルをかますこととは全然違うぞ! いいか闘志と目茶苦茶は違うんだ!
基本は攻めも守りも常に全体がポジショニング・バランスを保つことだ。どんな状況でも絶対に互いのカバーリングを忘れずに!これが出来れば確実に失点は減って攻撃に厚みもでる。」
当たり前なことに聞こえますが、意外と履き違えているケースが多いのでは?
因みにその後、通訳の交代劇はありませんでした。
「あぁビビッたぁ〜」


















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